症例報告
塞栓術が奏効した脾動脈瘤の1治験例
小倉 伸一, 藤村 昌樹*, 坂本 カ**
蘇生会病院外科, *滋賀医科大学第2外科, **公立甲賀病院放射線科
今回われわれは,肝硬変症患者の血管造影により,巨大な脾動脈瘤を発見し,金属コイルにより脾動脈塞栓術を行いその破裂を予防しえた.
症例は40歳の男性で,腹腔動脈造影では,脾動脈根部に直径3 cmの脾動脈瘤がみられた.そこで,脾動脈瘤の破裂を予防すべく血管造影下に脾動脈塞栓術を行うこととした.
脾動脈塞栓術:経カテーテル的に動脈瘤の遠位と近位に直径8 mmのアンギオコイル®を留置し動脈瘤への血流の阻止に成功した.術後経過は順調であった.
この症例を報告するとともに,脾動脈瘤の成因,interventional radiologyによる治療などについて,若干の文献的考察を加えた.
索引用語
splenic artery aneurysm, embolization of splenic artery, liver cirrhosis
日消外会誌 23: 2420-2424, 1990
別刷請求先
小倉 伸一 〒612 京都市伏見区下鳥羽広長町1-1 蘇生会総合病院外科
受理年月日
1990年6月13日
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