特集
食道の胃接合部の病態と手術―とくに食道アカラシアおよび逆流性食道炎に関する検討
村上 卓夫, 足立 淳, 小佐々 博明, 岡 正朗, 鈴木 敞
山口大学医学部第2外科
実験的検討より噴門部逆流防止機構のうちlower esophageal sphincter,次いでWillis胃斜走筋が食道胃接合部高圧帯の形成に重要であると思われた.
逆流防止に重要な食道・胃接合部高圧帯の再建には,Nissen法についでBelsey Mark IV法が有効であることが判明した.
食道裂孔ヘルニア症例に対する胃底部固定と胃後方固定を追加したNissen法は静止内圧の上昇および症状の軽減に有効であった.
アカラシアモデル犬は正常犬に比べて,静止内圧の上昇,およびガストリンおよびセクレチンに対する過敏反応を示した.
アカラシアモデル犬,アカラシア患者群では,正常犬,対照患者に比べて,VIP,Substans P濃度は有意に低かった.
アカラシア症例に対するJekler and Lhotka method with long myectomyは,静止内圧の減少および症状の軽減さらに逆流症状も認めず有効な術式と思われた.
索引用語
lower esophageal sphincter, reflux esophagitis, esophageal achalasia
日消外会誌 23: 2471-2476, 1990
別刷請求先
村上 卓夫 〒755 宇部市小串1144 山口大学医学部第2外科
受理年月日
1990年6月13日
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