原著
Radioisotopic splenoportography による食道静脈瘤硬化療法の効果判定
横山 康弘, 鮫島 夏樹, 池田 康一郎, 藤井 宏一, 平田 哲, 植田 守, 八柳 英治, 野坂 哲也, 久保 良彦
旭川医科大学第1外科
連珠状(F2),結節状(F3)の食道静脈瘤を有する門脈圧亢進症28例の内視鏡的硬化療法(endoscopic injection sclerotherapy,以下EIS)前後にradioisotopic splenoportograpy(RI経脾門脈造影法,以下本法)を施行し,側副血行路と肝のradioisotopic image(以下RIイメージ)の変化を検討した.
EIS後,食道静脈瘤,左胃静脈,奇静脈の上大静脈入口部像などの上行性イメ-ジが消失したものは6か月後の判定で全例食道静脈瘤の再発がなく,これらはEISを成功させるうえで良い指標になると思われた.しかし,短胃静脈像は再発,非再発を問わずEIS後も描出され指標にはならなかった.傍臍静脈,脾腎静脈シャント,脾から尾側へ向う側副血行路像などの下行性イメージと肝のイメージはEIS後非発例のみが増強し,これらもEISの効果を予測うるうえで参考になると思われた.本法は簡便であり,EISの評価法として有用な門脈造影法と考えられた.
索引用語
radioisotopic splenoportography, esophageal varices, endoscopic injection sclerotherapy, portosystemic collaterals
日消外会誌 23: 2551-2556, 1990
別刷請求先
横山 康弘 〒078 旭川市西神楽4線5号3-11 旭川医科大学第1外科
受理年月日
1990年7月10日
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