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第23巻 第11号 1990年11月 [目次] [全文 ( PDF 400KB)]
症例報告

血清carbohydrate antigen 19-9異常高値を示した肝膿瘍併発胆嚢炎・胆石症の1例

北原 信三, 上田 一夫, 小沢 哲郎, 継 行男, 工藤 玄恵1), 田所 陽興2), 高須 信美2)

東邦大学医学部外科学第2講座, 東邦大学医学部病院病理1), 浦安中央病院外科2)

 肝膿瘍併発胆嚢炎・胆石症で血清carbohydrate antigen 19-9(CA19-9)の異常高値を示した1例を経験したので報告する.症例は53歳の男性で,胆石・胆嚢炎の診断の下に入院したが,胆嚢に接して肝膿瘍が認められた.術前,血清CA19-9が868.094 U/ml(希釈値)と異常高値を示し,悪性疾患の関与も考えられたが,手術時悪性を思わせる所見は認められず,胆嚢摘出術と肝膿瘍のドレナージを行なった.経過は順調で術後22病日退院した.組織学的に摘出胆嚢には慢性炎症性変化が著明で部分的に潰瘍や肉芽腫の形成がみられたが,悪性所見は認められず,CA19-9を用いた免疫組織化学的検索では粘膜上皮細胞や内腔の分泌物に強い陽性所見がみられた.血清CA19-9は術後経時的に低下,術後6か月には正常化した.この症例では胆嚢良性閉塞機転と肝膿瘍が血清CA19-9の異常高値をもたらしたと思われ,CA19-9高値のみでは悪性疾患の存在を意味しないことが示唆された.

索引用語
benign lesions of gall bladder and liver, extremely high serum carbohydrate antigen 19-9

日消外会誌 23: 2644-2647, 1990

別刷請求先
北原 信三 〒143 大田区大森西6-11-1 東邦大学医学部第2外科

受理年月日
1990年7月10日

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