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第23巻 第11号 1990年11月 [目次] [全文 ( PDF 481KB)]
症例報告

バリウムイレウスに合併した回腸多発性潰瘍を伴った壊死性腸炎の1例

築野 和男, 渋沢 三喜, 小池 正, 佐藤 任宏, 佐藤 行彦

昭和大学外科, 大宮双愛病院

 大腸癌などによる大腸の閉塞性病変の口側腸管に発生する非特異的潰瘍ないし壊死は閉塞性大腸炎,壊死性腸炎として知られているが,その成因に関しては十分解明されていない.本症例はバリウムイレウス,イレウス管による減圧治療,といった特殊な状況であるが,回腸にみられた多発性の潰瘍病変の発生には壊死性腸炎の発生に共通した要因の関与があったものと思われる.また小腸の壊死性腸炎の報告は少ない.バリウムイレウスにたいするイレウス管治療では回盲弁閉鎖不全のある症例にたいし有効で穿孔は予防できるが,バリウム除去に約3週間を要しこのような回腸潰瘍発生の危険があることが示された.

索引用語
multiple ulcer in the ileum, necrotic enteritis, barium ileus

日消外会誌 23: 2673-2677, 1990

別刷請求先
築野 和男 〒142 品川区旗の台1-5-8 昭和大学医学部外科

受理年月日
1990年7月10日

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