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第23巻 第11号 1990年11月 [目次] [全文 ( PDF 424KB)]
症例報告

小腸穿孔をおこしたアミロイドーシスの1例

青木 久恭, 三浦 誠司, 三重野 寛治, 里井 豊, 武田 義次, 網野 賢次郎, 根本 明久, 堀江 文俊, 四方 淳一

帝京大学医学部第1外科

 消化管アミロイドーシスの報告は比較的多いが,穿孔性腹膜炎をおこした例は少ない.症例は82歳女性で,腹痛・下血を主訴として来院した.腹部X線撮影で遊離ガスを認め,穿孔性腹膜炎の診断で開腹したところ回腸の一部に3か所穿孔を認めた.病理組織学的にはアミロイドーシス・AL型であり,術後の全身的検索により続発性アミロイドーシスが疑われた.本症における腸管穿孔の機序として,腸管壁の小血管にアミロイドが沈着して局所的に虚血性変化を起こし,また血管の脆弱性も高まっているため,何らかの刺激により穿孔をきたすことが考えられた.ここに消化管アミロイドーシスの病態と穿孔の機序とを中心に文献的考察を加えて報告する.

索引用語
Amyloidosis, perforation, small intestine

日消外会誌 23: 2683-2686, 1990

別刷請求先
青木 久恭 〒173 東京都板橋区加賀2-11-1 帝京大学医学部第1外科

受理年月日
1990年7月10日

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