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第24巻 第1号 1991年1月 [目次] [全文 ( PDF 399KB)]
卒後教育セミナー

胃癌リンパ節郭清の過去と将来

杉町 圭蔵

九州大学医学部第2外科

 わが国における胃癌の治療成績はこの20数年間に飛躍的に向上した.このような予後の向上は早期癌症例の増加に負うところが大きいが,予防的リンパ節郭清の導入もその主因として挙げられる.しかしながら,外科治療には一定の限界があり,より有効な集学的治療法の確立が望まれる.一方,1980年代になると,腫瘍免疫学的立場から胃全摘に際しての予防的脾摘の功罪や早期胃癌に対する縮小手術に関する問題が提起されてきた.また,進行癌に対しては超拡大手術の機運が高まりつつある.今後,胃癌手術は縮小と拡大の両面に向かって展開されていくものと考えられるが,根治性,安全性,機能温存によるquality of lifeの向上が癌治療の根幹であることを忘れてはならない.

索引用語
gastric cancer, lymph node dissection, prognosis

日消外会誌 24: 153-156, 1991

別刷請求先
杉町 圭蔵 〒812 福岡市東区馬出3-1-1 九州大学医学部第2外科

受理年月日
1990年10月11日

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