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第24巻 第1号 1991年1月 [目次] [全文 ( PDF 500KB)]
卒後教育セミナー

胃癌のリンパ流とリンパ節郭清―とくに大動脈周囲リンパ節転移について―

高橋 俊雄

京都府立医科大学第1外科

 胃癌のリンパ節転移に対する対策として,今日最も信頼できるのは外科的リンパ節郭清である.これを合理的に行うためには胃癌からドレナージされるリンパ流を知り,これに基づいたリンパ節郭清を行うことが重要である.CH40での検索から大動脈周囲リンパ節は,胃の最終の所属リンパ節であり,胃癌においては癌細胞が腹腔内で最終的に定着して増殖するリンパ節であることが明らかにされた.さらに,この大動脈周囲リンパ節を含めた胃癌リンパ節の徹底的な系統的リンパ節郭清の成績から,この大動脈周囲リンパ節には従来考えられていたより遙かに高い頻度で転移が認められ,しかもその転移の起こりかたは第3群ときには第2群を経ることなく転移を形成している例がかなりの頻度に認められることが明らかとなった.今後,適応を選びこのリンパ節を郭清することにより,胃癌の手術成績のさらなる向上が期待できる可能性がある.

索引用語
lymph node metastasis of gastric cancer, paraortic lymph nodes, CH40

日消外会誌 24: 157-161, 1991

別刷請求先
高橋 俊雄 〒602 京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465 京都府立医科大学第1外科

受理年月日
1990年10月11日

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