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第24巻 第3号 1991年3月 [目次] [全文 ( PDF 756KB)]
原著

細小肝癌切除例の遠隔成績の検討

松田 康雄, 中島 邦也, 藤川 正博, 位藤 俊一, 水野 均, 吉田 洋, 薮内以 和夫, 西岡 稔, 伊豆蔵 豊大

大手前病院外科, 同 内科

 細小肝癌切除例21例および絶対非治癒切除例を除外した非細小肝癌切除例41例の計62例を対象にその遠隔成績について検討した.その結果,細小肝癌の累積生存率は3年95%,5年61%と非細小肝癌の累積生存率3年44%,5年33%に比較し有意に良好であった(p<0.01).また,細小肝癌の累積癌死率は非細小肝癌の累積癌死率に比較し有意に低値を示した(p<0.05).しかし,累積再発率においては両群間に有意の差を認めなかった.細小肝癌は非細小肝癌に比べ再発までの期間が有意に長く(p<0.05),かつ単発性残肝再発を示すものが多かった(p<0.05).再発例に対する再手術率は細小肝癌において有意に高値を示した(p<0.05).以上より,細小肝癌切除例においても術後長期に渡るfollow upが重要であり,また残肝再発例に対しては積極的に再手術を行うことにより良好な予後が得られるものと考える.

索引用語
small liver cancer, post-operative survival rate, second primary lesion, re-hepatectomy

日消外会誌 24: 805-812, 1991

別刷請求先
松田 康雄 〒540 大阪市中央区大手前1-5-34 大手前病院外科

受理年月日
1990年10月11日

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