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第24巻 第3号 1991年3月 [目次] [全文 ( PDF 512KB)]
症例報告

術前に胃癌と診断された胃アニサキス症の1例

前野 宏, 安江 満悟, 小島 宏, 平井 孝, 坂本 純一, 安井 健三, 山村 義孝, 加藤 知行, 紀藤 毅, 宮石 成一, 中里 博昭

愛知県がんセンター消化器外科部

 症例は66歳男性.1989年8月27日,腹痛,嘔吐,発熱が出現.8月28日,他院に急性腹症として緊急入院し,胃内視鏡,内視鏡生検,computed tomographyなどにより,胃癌および癌性腹膜炎と診断された.9月19日,当院へ転院.当院の胃生検では癌は証明されなかったが,上部消化管造影などでBorrmann 4型胃癌と診断し,10月6日,手術を施行した.切除標本では胃大弯側に穿孔部を認め,その外側に炎症性肉芽腫が存在した.それとは別に小弯に潰瘍性病変が存在し,その中にアニサキス虫体と思われる異物を認めた.摘出標本の検索では胃癌は存在せず,両病変ともにアニサキスによるものと診断した.本症例は,アニサキスにより胃に潰瘍性病変を形成し,さらに,別な部分に胃穿孔を起こしたというきわめてまれな症例であり,さらに,術前に画像検査および病理組織検査で癌と診断されたという点でも示唆に富む症例であった.

索引用語
perforation of the stomach caused by anisakiasis, gastric ulcer caused by anisakiasis

日消外会誌 24: 861-865, 1991

別刷請求先
前野 宏 〒003 札幌市白石区栄通18丁目4-10 札幌徳洲会病院外科

受理年月日
1990年11月19日

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