症例報告
硬化型肝細胞癌の1例
増田 亨, 森 孝郎, 池田 哲也, 下野 一子, 森山 茂, 梅枝 覚, 永田 憲和
社会保険羽津病院外科
症例は69歳男性で上腹部鈍痛,食欲不振を主訴として入院.腹部超音波検査と腹部CT検査にて肝S5に径7 cm大の腫瘍を認め,腹部血管造影では動脈門脈ともに前下区域枝の偏位を認めた.術前診断は胆管細胞癌であった.手術は拡大右葉切除を行った.病理組織では腫瘍組織は厚い線維性間膜で囲まれ硬化型肝細胞癌と診断された.DNA histogramより腫瘍はaneuploidを示し,胆管細胞癌に特異的なTPA染色は陰性であった.本例は術後8か月と早期に骨転移をきたし死亡し悪性度の高い腫瘍と考えられた.
索引用語
scirrhous type of hepatocellular carcinoma, flow cytometry
別刷請求先
増田 亨 〒510 四日市市羽津山町10-8 社会保険羽津病院外科
受理年月日
1990年10月11日
 |
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|