症例報告
若年者大腸angiodysplasiaの1例
山中 洋一郎, 恩田 昌彦, 田中 宣威, 松倉 則夫, 中村 孝, 青木 繁政, 笹島 耕二, 内田 英二, 小林 匡, 相本 隆幸, 浅野 伍朗*
日本医科大学第1外科, 同 病理*
症例は21歳男性.慢性反復性の下血を主訴に来院し,上腸間膜動脈造影検査にて回結腸動脈末端部のarteriovenous malformationと診断した.下血による高度の貧血が保存的に改善しないため,回盲部切除術を施行した.切除標本の病理組織学的検索では,粘膜固有層と粘膜下組織に壁の薄い小血管の拡張,蛇行が著明で,破綻血管も認められ,盲腸を中心とする回盲部のangiodysplasiaと診断した.本症は,高齢者の右側結腸に好発し,血管造影あるいは内視鏡による診断が有用とされている.本邦では若年発症例は非常にまれであり,文献的考察を加え報告した.
索引用語
angiodysplasia of young adult, angiodysplasia of the colon, gastrointestinal hemorrhage
別刷請求先
山中洋一郎 〒113 東京都文京区千駄木1-1-5 日本医科大学第1外科
受理年月日
1990年10月11日
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