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第24巻 第4号 1991年4月 [目次] [全文 ( PDF 533KB)]
症例報告

石灰化を伴った胃体上部平滑筋腫の十二指腸球部に脱出した1例

神崎 司, 佐藤 四三, 鍋山 晃, 木村 幸男, 村主 宗能, 山崎 元成, 舟木 直人, 中島 晃, 松尾 俊太郎, 岡田 康男, 荻野 哲也

姫路赤十字病院外科, 同 病理

 胃の平滑筋腫は胃の粘膜下腫瘍中ではもっとも頻度の高い疾患であり,最近の診断技術の向上により,診断は比較的容易になってきた.しかしそれが十二指腸内に脱出するとなると診断は非常に困難となる.われわれは胃体上部に発生した石灰化を伴う胃平滑筋腫が十二指腸球部に脱出したきわめてまれな症例を経験したので報告する.
 症例は46歳,女性で,突然心窩部の激痛,嘔吐といういわゆるball valve syndromeがあり,胃X線検査,胃内視鏡検査にて十二指腸球部に脱出した胃体上部の胃粘膜下腫瘍と診断した.超音波検査,computed tomography検査でこの腫瘍には石灰化が認められた.手術は胃切除術を行い,病理検査にて胃平滑筋腫と診断された.

索引用語
gastric leiomyoma, calcified gastric tumor, tumor invagination into the duodenal bulbus

日消外会誌 24: 1051-1055, 1991

別刷請求先
神崎 司 〒670 姫路市龍野町5-30-1 姫路赤十字病院外科

受理年月日
1990年11月19日

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