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第24巻 第4号 1991年4月 [目次] [全文 ( PDF 626KB)]
特集

肝細胞癌の肝内転移の機序に関する病理形態学的研究―腫瘍流出血管系の構築について―

豊坂 昭弘, 岡本 英三, 岡空 達夫, 山中 若樹, 光信 正夫, 折山 毅, 藤元 治朗

兵庫医科大学第1外科

 肝細胞癌(肝癌)の肝内転移の機序について,肝切除材料393例を用い病理学的およびX線学的に検討を加えた.肝癌は手術時では肝外転移はきわめて少ないが,肝内転移が高率に認められ径5 cm以上では90%以上に肝内転移が認められた.肝内転移と腫瘍の門脈内侵襲は密接な関係を示した.腫瘍周囲には豊富な血管網があり,この血管網と腫瘍血洞間には多数の交通枝があるが,腫瘍の増大とともにこの交通枝を通じて腫瘍の脱出流出する所見が高頻度に認められた.腫瘍への造影剤の直接注入所見および生体での腫瘍穿刺所見から,造影剤は腫瘍周辺の血管網を介し,ほとんどは門脈内に流出し,被膜のない微小肝癌では直接類洞内に流出した.以上から肝癌では通常栄養血管は純動脈性であるが,門脈系はdrainage veinとして機能しており,このため肝癌が早期から門脈内侵襲を起こし,肝内転移を高率に起こす要因と考えられた.

索引用語
hepatocellular carcinoma, intrahepatic metastasis, drainage vessel of hepatocellular carcinoma

日消外会誌 24: 1121-1126, 1991

別刷請求先
豊坂 昭弘 〒663 西宮市武庫川町1-1 兵庫医科大学第1外科

受理年月日
1990年11月19日

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