胃壁内転移を伴った食道癌の1例

中村　真之, 村上　卓夫, 城野　憲史, 林　弘人, 内迫　博幸, 草薙　洋, 鈴木　敞

山口大学第2外科

　症例は60歳の男性．嚥下困難を主訴として近医受診，上部消化管透視および内視鏡検査で食道と胃の病変が指摘された．組織学的に食道の病変に関しては扁平上皮癌と診断されたが，胃の病変に関しては悪性所見は得られなかった．食道癌および胃粘膜下腫瘍の診断にて手術を施行したところ，術後，組織学的に食道癌の胃壁内転移と診断された．
　食道癌の胃壁内転移は比較的にまれであり，その特徴および対応を中心に文献的考察を行った.

索引用語
esophageal carcinoma, metastasis in the gastric wall of esophageal carcinoma

別刷請求先
中村　真之　〒755　宇部市小串1144　山口大学医学部第2外科

受理年月日
1991年4月17日

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