症例報告
増大過程を計測しえた肝海綿状血管腫の2切除例
吉田 順一, 山崎 晋, 幕内 雅敏, 高山 忠利, 小菅 智男, 山本 順司, 長谷川 博, 高安 賢一*, 広橋 説雄**
国立がんセンター病院外科, 同 放射線診断部*, 同 病理部**
肝海綿状血管腫が増大した2切除例において,コンピュータ断層撮影を用いて増大過程を定量的に記録しえた.症例1は40歳女性で,3年半の間に径は4.6 cmから7.2 cmに,体積は58 mlから244 mlに増加した.症例2は67歳男性,10年半の間に径は7.5 cmから17 cmに,体積は123 mlから1,434 mlに増大した.2例とも血管腫が増大し続けたので手術を行った.肝血管腫が増大する経過を定量的に記録した点は文献上珍しい.肝血管腫はこのように増大する場合があるので,長期間の経過観察が必要である.
索引用語
cavernous hemangioma of the liver, computed tomography, volumentry
日消外会誌 24: 2226-2230, 1991
別刷請求先
山崎 晋 〒104 中央区築地5-1-1 国立がんセンター病院外科
受理年月日
1991年3月13日
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