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第24巻 第9号 1991年9月 [目次] [全文 ( PDF 874KB)]
原著

胸部食道癌の頸部・縦隔再発の局在部位―再発時のcomputed tomographyによる検討―

松原 敏樹, 奥村 栄, 植田 守, 西 満正

癌研究会附属病院外科

 胸部食道癌根治切除術後の頸部・縦隔再発例で再発時にcomputed tomographyを施行した40例を対象として,頸部~縦隔における再発巣の解剖学的な分布や形態を調べた.
 1.頸胸連続郭清施行例(B群:16例)とそのほか(A群:24例)では再発部位に差がみられた.単一領域再発例でみるとA群では反回神経沿線の再発が多く,食道切除時n(-)でも頸部上縦隔再発が多かった.B群では頸部上縦隔再発は少なく下行大動脈周囲の下縦隔再発が多かった.
 2.気管前や前縦隔の再発例は右反回神経沿線か左気管気管支の再発を伴っていた.
 3.深達度sm・pmの症例における単一領域再発部位はどれも深頸部か反回神経沿線であり,中下縦隔再発はal以上の症例に限られていた.
 4.一側のみの頸部再発触知例ではほかに再発巣が認められない症例も多かったが両側触知例はどれも縦隔内に広範な再発を伴っていた.
 5.経過観察例における再発巣のdoubling timeは0.5~6か月,平均2.4か月であった.

索引用語
esophageal neoplasm, computed tomography in esophageal cancer, cancer recurrence after radical esophagectomy, lymphatic metastasis in esophageal cancer

日消外会誌 24: 2326-2334, 1991

別刷請求先
松原 敏樹 〒170 豊島区上池袋1-37-1 癌研究会附属病院外科

受理年月日
1991年5月8日

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