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第24巻 第9号 1991年9月 [目次] [全文 ( PDF 486KB)]
症例報告

巨大な膵のsolid and cystic tumorの1症例

浅利 靖, 島津 盛一1), 西村 博行2), 新井 伸康1), 中 英男3), 大和田 隆, 比企 能樹1), 柿田 章1)

北里大学医学部救命救急医学, 北里大学医学部外科1), 北信総合病院外科2), 北里大学病院病理3)

 中年の男性に発生した巨大な膵のsolid and cystic tumor(SCT)を経験し,その臨床経過よりdoubling timeを算出した.また本邦報告例139例について検討した.症例は58歳男性.腹部腫瘤を主訴に入院.開腹したところ,膵体部に被膜におおわれ充実性かつ弾性軟の,24×19×8 cmの腫瘤が存在し,膵体尾部脾合併切除施行.病理組織学的に,充実性で髄様増殖パターンを呈し,免疫染色では上皮系マーカーに陽性でありSCTの診断を得た.4年前の初診時の腫瘍径と今回術前の精査時の腫瘍径とからdoubling timeを算出したところ,240日とslow growingな腫瘍に分類されることを証明しえた.本邦報告例139例について検討したところ,本例は男性例としては最年長かつ最大の腫瘍径を持つものであった.術後1年経過した現在,患者は健在であり,再発も認められていない.

索引用語
solid and cystic tumor of the pancreas, doubling time, slow-growing tumor

日消外会誌 24: 2461-2465, 1991

別刷請求先
浅利 靖 〒228 相模原市北里1-15-1 北里大学医学部救命救急医学

受理年月日
1991年4月17日

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