壁外性に発育した食道平滑筋肉腫の1例

小寺　泰弘, 末永　裕之, 鈴木　祐一, 禰宜田　政隆, 谷口　健次, 稲垣　均, 竹下　洋基, 金住　直人, 余語　弘

小牧市民病院外科

　比較的まれとされる食道平滑筋肉腫の1例を経験したので報告する．
　症例は75歳と本邦報告例中最高齢の男性で，嚥下困難を主訴として来院した．胸部単純写真上，左下肺野から縦隔にかけて腫瘤影を認めたが，上部消化管造影，内視鏡，血管造影，computerized tomographyなどにて，壁外性に胸腔内に発育した食道の粘膜下腫瘍と診断し，左開胸開腹にて下部食道，胃上部切除術を施行した．術後経過は良好で，術後2年10か月を経た現在再発の徴候を認めない．本疾患は食道癌と比較して，予後は良好とされるが，文献上，食道部分切除が施行された29例中1例，腫瘍摘出術が施行された10例中3例に再発が報告されており，術後長期にわたっての経過観察が必要である．

索引用語
leiomyosarcoma of esophagus

別刷請求先
小寺　泰弘　〒466　名古屋市昭和区鶴舞町65　名古屋大学医学部第2外科

受理年月日
1991年6月5日

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