特集
下部消化器疾患におけるendoscopic surgeryの適応と限界
今城 眞人, 岩間 毅夫, 大久保 靖, 塚田 邦夫, 北條 郁生, 嘉和知 靖之, 石田 秀行, 西岡 良薫, 山崎 拓造, 福成 博幸, 遠山 芳樹, 三島 好雄
東京医科歯科大学第2外科
内視鏡的切除を行った大腸ポリープ1,927病変と早期大腸癌259病変の治療経験を通して,下部消化管におけるendoscopic surgeryの適応と限界について検討を行った.内視鏡的ポリペクトミーが行われたポリープのうち,最も大きなものは45 mm径であった.合併症の発生頻度は0.7%で死亡例は無く,内視鏡的切除は安全な手技と思われた.内視鏡的に切除されたポリープの組織診断では,腺腫が最も多く67%であり,m癌は5%にみられ,次いでPeutz-Jeghersポリープ,若年性ポリープ,良性の粘膜下腫瘍の順で,これらの疾患が内視鏡的切除の適応と考えられた.早期大腸癌に対する内視鏡的切除の適応をm癌と考えると,臨床病理学検討からは,Ipでは大きさにかかわらず可能な限り,Isでは大きさ20 mm以内のものが,IIaでは15 mm以内のものが適応と考えられた.陥凹型は小さいうちからsmへの浸潤傾向がつよく,脈管侵襲陽性率が高く,外科的切除の適応と考えられた.
索引用語
endoscopic surgery, colonoscopic polypectomy, early carcinoma of the large bowel
日消外会誌 24: 2621-2625, 1991
別刷請求先
今城 眞人 〒113 文京区湯島1-5-45 東京医科歯科大学第2外科
受理年月日
1991年7月3日
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