特集
胆道結石に対する胆道鏡下切石術の検討
大島 郁也, 神津 照雄, 磯野 可一
千葉大学第2外科
胆道結石治療に教室では1980年より胆道鏡下にLaser砕石術を施行し,治療効果が飛躍的に良好となったため1980年以後につき検討を加えた.1990年12月までの11年間に教室において手術,胆道鏡治療併用例も含めた胆道鏡治療施行例は,胆嚢結石では8例(再発例1例),総胆管結石は28例,肝内結石は68例であった.胆嚢結石,総胆管結石に対する経皮的胆道鏡治療の当科における適応は,polysurgery,high risk例などであり好結果を得ている.肝内結石の治療はpercutaneous transhepatic cholangioscopic lithotripsy(PTCL)により胆管像の検討の後,偏葉の肝萎縮がある場合には肝切除を行い,砕石不能な狭窄や,走行異常がないかぎりPTCLを続け,狭窄などを認めた場合には肝切除,胆道再建など必要に応じた手術を併用し,遺残結石を残したのは2例(2.9%)と良好な結果を得ている.また1988年より導入したflash lamp pumped dye laserは,治療成績の向上と胆道鏡施行回数にみる治療期間の短縮に有効であった.
索引用語
cholelithiasis, cholangioscopic lithotripsy, flash lamp pumped dye laser
日消外会誌 24: 2626-2629, 1991
別刷請求先
大島 郁也 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科
受理年月日
1991年7月3日
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