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第24巻 第11号 1991年11月 [目次] [全文 ( PDF 504KB)]
症例報告

巨大な肝外発育型肝細胞癌の3切除例

山口 晋, 菊池 賢治, 花井 彰, 赤石 治, 中野 末広, 月川 賢, 小森山 広幸, 得平 卓彦, 萩原 優

聖マリアンナ医科大学東横病院外科, 聖マリアンナ医科大学第1外科

 肝外発育型肝癌は比較的まれな疾患であり,その発生機序についてはいまだ明らかでない.また診断,治療についても通常の肝癌と趣を果にする.
 われわれは3例の肝外発育型肝癌を経験した.症例1は38歳女で有茎型で,肝実質は正常であった.肝部分切除後4年9か月健存している.症例2は39歳女で有茎型で,慢性肝炎を併存していた.肝部分切除後2年8か月健存している.症例3は61歳男で肝外突出型で肝内転移があり,肝硬変を併存していた.肝外側区域切除後7か月で死亡した.
 診断には超音波検査,computed tomography検査,腫瘍マーカーが参考になり,血管造影による栄養血管の確認が最も良いと思われた.治療は有茎型は小範囲の肝切除で予後は良好である.一方,肝外突出型は通常の肝癌と同様必ずしも予後は良好とはいえない.

索引用語
hepatic cancer, extrahepatic hepatocellular cancer, hepatectomy

日消外会誌 24: 2768-2772, 1991

別刷請求先
山口 晋 〒211 川崎市中原区小杉町3-435 聖マリアンナ医科大学東横病院外科

受理年月日
1991年7月3日

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