症例報告
内翻したMeckel憩室を先進部とした成人腸重積症の1例
藤野 幸夫, 村田 宣夫*, 井上 勇
三芳厚生病院外科, 埼玉医科大学総合医療センター第2外科*
内翻したメッケル憩室による腸重積症の1例について報告する.症例は51歳男性で,腹痛,腹部腫瘤,下痢を主訴に来院した.腹部所見,腹部超音波検査,computed tomography検査が,腸重積症の診断に有用であった.腸重積との診断のもとで開腹すると,内翻したメッケル憩室を先進部とした回腸―回腸―結腸型の腸重積であった.回腸部分切除,端々吻合を行った.病理所見では,異所性の膵組織が認められた.
メッケル憩室による腸重積症は本邦において,過去10年間で30例の報告があるが,記載のあるものの中では,1例を除いて23例は,メッケル憩室が内翻したものであった.
索引用語
Meckel's diverticulum, intussusception, heterotopic pancreatic tissue
日消外会誌 24: 3027-3031, 1991
別刷請求先
藤野 幸夫 〒354 埼玉県入間郡三芳町藤久保266-1 三芳厚生病院外科
受理年月日
1991年9月4日
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