原著
Borrmann 4型胃癌に対する集学的治療の1つとしてのSequential Methotrexate・5FU療法
北村 正次, 荒井 邦佳, 宮下 薫
東京都立駒込病院外科
Borrmann 4型胃癌の手術例(250例)に対するSequential Methotrexate・5-fuorouracil(MTX・5FU)の治療効果について検討した.手術例のうち非切除は54例(21.6%),切除は196例(78.4%)であった.切除例のうち治癒切除は81例(41.3%),非治癒切除は115例(58.7%)であった.治癒切除例に対するMTX・5FU療法の予後は他の治療群(Adriamycin・5FU,Mitomycin C・5FU,フッ化ピリミジン)に比較し良好であったが有意差を認めなかった.一方,非治癒切除群において,MTX・5FU群は他の化学療法に比較し有意に良好であった(p<0.05).また非切除例のMTX・5FU治療群は,他の化学療法群に比較し有意に良好であった(p<0.01),これら両群の背景因子を比較したが有意差を認めなかった.Borrmann 4型胃癌に対する外科的治療には限界があり,集学的治療が必要と考えられ,MTX・5FU療法は1つの有用な治療法になると考えられた.
索引用語
Borrmann type 4 gastric cancer, biochemical modulation, sequential methotrexate・5FU therapy, multidisciplinary therapy
別刷請求先
北村 正次 〒113 文京区本駒込3-18-22 東京都立駒込病院外科
受理年月日
1991年9月4日
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