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第25巻 第1号 1992年1月 [目次] [全文 ( PDF 420KB)]
症例報告

右中副腎動脈支配肝外発育性肝細胞癌の1例

金子 哲也, 寺部 啓介, 伊藤 公一, 藤田 興一, 中尾 昭公

新城市民病院外科, 名古屋大学第2外科

 症例は45歳男性.腹部打撲を契機に肝右葉後区域と右腎臓の間に位置する腫瘤が発見された.腹部血管造影にて腫瘍はhypervascularで,肝外部分への血流は右中副腎動脈が主体であった.α-fetoproteinが高値でありHBキャリヤーであることから肝外発育性肝細胞癌と考え肝右葉切除術を施行した.画像診断上,栄養血管から原発を推定するのは困難であり,非機能性副腎髄質腫瘍との鑑別が問題であったが,magnetic resonance imaging T2強調像で鑑別できると思われた.患者は術後2年の現在健在である.本疾患は本邦67例の報告があり右中副腎動脈より栄養された報告例は本例が第1例目と考えられる.以上の症例につき若干の文献的考察を加え報告する.

索引用語
hepatocellular carcinoma with extrahepatic growth

日消外会誌 25: 132-135, 1992

別刷請求先
金子 哲也 〒466 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学医学部第2外科

受理年月日
1991年10月9日

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