症例報告
腹膜垂炎の1例
加藤 宣誠, 小林 仁也, 中川 司
友紘会総合病院外科
今回われわれは腹膜垂炎の症例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する.
症例は39歳男性で右下腹痛にて発症し急性虫垂炎の診断にて手術を施行したが虫垂には異常がみられず,上行結腸の腹膜垂に急性炎症がみられた.憩室炎の2次的な炎症も疑われたので結腸壁部分切除術を施行したが結果的には憩室はみられなかった.発症機転としては血行障害型の腹膜垂炎に分類されるものと思われた.腹膜垂炎の本邦報告例23例の検討から腹膜垂炎症例では急性虫垂炎手術症例に比べて白血球増多,発熱の合併頻度が少ない傾向が見られた.
索引用語
epiploic appendagitis
別刷請求先
加藤 宣誠 〒567 茨木市清水1-34-1 友紘会総合病院外科
受理年月日
1991年10月9日
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