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第25巻 第3号 1992年3月 [目次] [全文 ( PDF 412KB)]
症例報告

経仙骨的直腸粘膜環状抜去術による直腸孤立性潰瘍症候群の1治験例

川口 義弥, 西川 俊邦, 前谷 俊三, 戸部 隆吉

京都大学医学部第1外科, (現:倉敷中央病院外科)

 直腸孤立性潰瘍症候群に対し,経仙骨的に広範な直腸粘膜環状抜去術を施行した症例を報告する.症例は20歳男性で,8年前から持続する血便,粘液便,裏急後重を訴え,内科治療や排便時のいきみを控えても軽快しなかった.下部直腸に多発する隆起性病変を認め,生検にて粘膜固有層のfibromus-cular obliterationの所見を得,直腸孤立性潰瘍症候群と診断した.術式は経仙骨的に直腸後壁を切開後,粘膜のみを環状に剥離後切除し,露出した直腸筋層を縦に縫縮後,粘膜断端を再吻合した.術後の直腸肛門内圧測定でも異常は認められず,患者は術後25か月現在無症状である.本症例はこの術式で治癒した第2例目である.

索引用語
solitary rectal ulcer syndrome, transsacral proctomucosectomy, mucosal prolapse syndrome

日消外会誌 25: 931-934, 1992

別刷請求先
川口 義弥 〒710 倉敷市美和1-1-1 倉敷中央病院外科

受理年月日
1991年11月20日

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