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第25巻 第4号 1992年4月 [目次] [全文 ( PDF 740KB)]
原著

閉塞性黄疸のヒトnatural killer活性に及ぼす影響についての実験的ならびに臨床的研究

伊賀 芳朗

新潟大学医学部第1外科学教室(指導:武藤輝一教授)

 閉塞性黄痘のnatural killer(NK)活性に及ぼす影響とその要因について検討した.7例の閉塞性黄疸症例において4種の胆汁酸すなわちglycocholicacid(GCA),taurocholic acid(TCA),glyco-chenodeoxycholic acid(GCDCA),taurocheno-deoxycholic acid(TCDCA)は,著明な高値を示した.閉塞性黄疸症例のNK活性(12.2±2.8%)はコントロール(43.9±6.7%)に比べ低値を示したが,減黄後には改善傾向を認めた.6例の黄痘血清で7日間,in vitroにおいて前培養処理した健常人のリンパ球NK活性は顕著に抑制された(4.9±5.6%),抱合型ビリルビン,TCA,TCDCAおよびGCAによる前培養処理では7日目まで影響を認めなかった.GCDCAでは5日目以降(5日目;5.6±2.6%,7日目;4.3±3.5%)に有意の低下を認めた(p<0.01).以上より閉塞性黄疸血清がヒトNK活性を抑制することが明らかとなり,GCDCAが重要な抑制因子の1つであることが示された.

索引用語
inhibition of natural killer activity, obstructive jaundice, glycochenodeoxycholic acid

日消外会誌 25: 1012-1019, 1992

別刷請求先
伊賀 芳朗 〒951 新潟市旭町通1番町757 新潟大学医学部第1外科

受理年月日
1991年12月10日

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