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第25巻 第5号 1992年5月 [目次] [全文 ( PDF 470KB)]
症例報告

肝膵同時切除により5年生存を得た進行胆嚢癌の1例

熊沢 健一, 大石 俊典, 大東 誠司, 窪田 公一, 清水 忠夫, 芳賀 駿介, 梶原 哲郎, 菊池 友允

東京女子医科大学第二病院外科, 東京都立府中病院外科

 近年,進行胆嚢癌に対し肝膵同時切除が行われるようになってきた.しかし,その予後はきびしく長期生存例はきわめて少ないのが現状である.そのなかでわれわれは最近肝膵同時切除兼右半結腸切除を行い5年の生存を得た症例を経験した.症例は54歳,男性.1986年5月,右季肋部痛出現し6月2日当科入院.肝,十二指腸,結腸へ直接浸潤のみられる進行胆嚢癌と診断された.6月18日拡大肝右葉切除兼膵頭十二指腸切除兼右半結腸切除を施行した.進展様式は胆道癌取扱い規約に準じるとpat-Gbfn,por,int,INFβ,si,hinf3,binf0,n(-),P0,H0でR3絶対治癒切除であった,術後大きな合併症はなく第84病日に退院.44 kgであった体重は現在51 kgまで回復している.CTで脂肪肝は認めるが再発徴候はなく生存中である.本症例が長期生存できたのは進行癌にも関わらず肝十二指腸靭帯への浸潤とリンパ節転移のながったことが大きな要因と考えられる.

索引用語
cancer of the gallbladder, simultaneous resection of the liver and pancreas

日消外会誌 25: 1300-1304, 1992

別刷請求先
熊沢 健一 〒116 東京都荒川区西尾久2-1-10 東京女子医科大学第二病院外科

受理年月日
1992年1月8日

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