症例報告
陥凹型早期十二指腸癌の1手術例
西森 武雄, 坂崎 庄平, 吉井 友季子, 前川 仁, 梅山 馨
育和会記念病院外科
症例は72歳の男性.タール便を主訴に入院.上部消化管内視鏡検査を行ったところ,十二指腸下行脚のVater乳頭の対側の前壁よりに,辺縁が不整な陥凹性病変を認めた.同部位の生検で腺癌を認めたため,膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本では,病変は1.6×1.0 cm大の辺縁不整な,浅い陥凹性で,Vater乳頭との連続性は認められなかった.病理組織学的には,深達度smの中分化型腺癌で脈管侵襲およびリンパ節転移はみられなかった.陥凹型早期十二指腸癌の報告はまれで,本邦報告例としては自験例は14例目にあたるものと思われる.
索引用語
early depressed duodenal cancer
日消外会誌 25: 1310-1314, 1992
別刷請求先
西森 武雄 〒544 大阪市生野区巽北3-20-29 育和会記念病院外科
受理年月日
1992年1月8日
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