症例報告
肝尾状葉原発粘液産生胆管細胞癌の1切除例
秋山 守文, 水島 康博, 唐沢 学洋*, 伝野 隆一*
東札幌病院外科, 札幌医科大学第1外科*
尾状葉原発胆管細胞癌の1切除例を経験した.症例は69歳女性.胆石症手術後Tチューブドレンからの造影で右肝管に陰影欠損を認めた.胆道鏡下生検にてpapillary adenocarcinoma,CTでは右尾状葉に腫瘍陰影を認め,粘液産生型の尾状葉原発胆管細胞癌の診断で再手術を行った.腫瘍は右尾状葉に主座し,右肝管側に粘液を産生しつつ発育し,尾状葉側へはコロイドを内包する腫瘤として発育していた.全尾状葉を含む肝右葉切除,胆管切除,左肝管空腸吻合を行った.尾状葉原発の胆管細胞癌はまれといえるが文献上切除例は肝細胞癌に比べ予後は良好であり,当症例も3年6か月の経過で再発徴候をみない.
索引用語
cholangiocellular carcinoma of caudate lobe
日消外会誌 25: 2009-2013, 1992
別刷請求先
秋山 守文 〒003 札幌市白石区東札幌3条3丁目 東札幌病院外科
受理年月日
1992年3月11日
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