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第25巻 第10号 1992年10月 [目次] [全文 ( PDF 463KB)]
特集

手術侵襲後の血中IL-6の上昇とその影響因子

酒本 喜与志, 荒川 博文, 箕田 誠司, 石河 隆敏, 杉田 裕樹, 鮫島 浩文, 江上 寛, 池井 聰, 小川 道雄

熊本大学第2外科

 サイトカインは手術侵襲後に生じる種々の生体防御反応において重要な役割を果たしている.今回,外科手術後の血中サイトカインの上昇機序と,それが,どのような因子の影響を受けるかを検討した.対象は合併症を有しない,各種の予定手術を受けた38例である.サイトカインの定量はELISA法,メッセンジャーRNA(mRNA)の測定はNorthern blotting法にて行った.その結果,1.血中interleukin6(IL-6)値は術後1日目に最高値を示すこと,2.ドレーン浸出液中のIL-6,interleukin8(IL-8)値は末梢血に比べ著明に高いこと,3.胸腔,腹腔ドレーン浸出液中の細胞内に手術当日, 1, 2日目にIL-6,IL-8のmRNAの発現を強く認めるが,末梢血細胞内には極めて微量であること,4.食道癌1期的根治術,肺葉切除術はおのおの,同程度の手術侵襲を有す膵頭十二指腸切除術,結腸・直陽切除術よりも高いIL-6値を示すこと,5.IL-6値は手術時間あるいは出血量との間に有意の相関が有ること,が明らかになった.以上より,サイトカインは主として手術局所にて誘導,分泌され,次いで血中に移行して高サイトカイン血症を来たすこと,また,手術時間,出血量はともにサイトカイン産生の大きな影響因子であることが示唆された.

索引用語
cytokine, surgical stress, interleukin 6, interleukin 8

日消外会誌 25: 2590-2594, 1992

別刷請求先
酒本喜與志 〒860 熊本市本荘1-1-1 熊本大学医学部第2外科

受理年月日
1992年7月6日

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