症例報告
胆嚢ポリープに併存したvon Meyenburg complexの1例
竹内 賢, 西科 琢雄, 波頭 経明, 西脇 勤, 砂川 文彦, 高橋 親彦, 池田 庸子*, 下川 邦泰*
国民健康保険関ケ原病院外科, 岐阜大学医学部臨床検査医学*
症例は健康診断で胆嚢ポリープを指摘され来院した43歳の男性である.理学的所見および入院時検査所見に特記すべき異常はみられなかったが,carbohydrate antigen 19-9(CA19-9)69 U/ml,carcinoembryonic antigen(CEA)3.8 ng/mlと軽度増加を認めた.腹部超音波検査で肝実質全般に斑状高エコーが散在性に観察され,また腹部CT検査では肝両葉にわたり境界不鮮明な径2~15 mm大の低吸収域像がびまん性に認められた.胆嚢摘出時の所見では,肝表面に径5 mm大の黒色から灰白色,まれに赤褐色の小結節が散在し,肝生検の病理組織像でvon Meyenburg complexと診断された.von Meyenburg complexは剖検時にはじめて診断される場合が多く,臨床上経験されることは極めてまれである.本症例の臨床像について文献的考察を加え報告した.
索引用語
von Meyenburg complex, biliary hamartoma, cholecystic polyps
別刷請求先
竹内 賢 〒503-15 岐阜県不破郡関ケ原町大字関ケ原2490-29 国民健康保険関ケ原病院外科
受理年月日
1992年9月9日
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