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第26巻 第1号 1993年1月 [目次] [全文 ( PDF 539KB)]
卒後教育セミナー

腹部外傷の診断―最近の進歩

大塚 敏文

日本医科大学救急医学科

 腹部外傷の診断は1980年代におけるCTと超音波診断法(US)の爆発的普及により飛躍的な進歩を遂げた.腹腔内出血を証明する手段として以前は腹腔穿刺が主体であったが,最近ではUSがこれに取ってかわり主役の座を占めている.USは単に腹腔内出血を描出しうるばかりでなく,実質臓器損傷の部位と程度を非侵襲的に繰り返し検査できる利点を有する.またCTは実質臓器損傷の部位や程度をより客観的かつ明瞭に描出しうるばかりでなく,腹腔内遊離ガス像や腹腔内出血をも証明しうるため,腹部外傷の診断に極めて有用である.診断的腹腔洗浄法(DPL)はfalse positiveが多いとの理由で本邦ではあまり高い評価を与えられていなかったが,筆者らは新しい判定基準を導入することによりこの問題点を克服した.多発外傷例ではとくに腹部外傷見落としの危険が高いためDPLの積極的使用が必要であると思われる.その他,血管造影法と経カテーテル動脈塞栓術(TAE),内視鏡検査,MRIなど種々の画像診断の進歩に伴い,実質臓器損傷のうちのかなりの部分を保存的に治療しうることが明らかとなった.しかしながら損傷状況を詳細に評価し不必要な開腹を避けることに固執するあまり,診断遅延を来すことのないよう細心の注意を払わなければならない.

索引用語
abdominal trauma, diagnostic imaging, diagnostic peritoneal lavage

日消外会誌 26: 166-171, 1993

別刷請求先
大塚 敏文 〒113 文京区千駄木1-1-5 日本医科大学救急医学科

受理年月日
1992年10月7日

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