有限責任中間法人日本消化器外科学会公式サイトへリンク 日本消化器外科学会雑誌 Online Journal
メインナビゲーションを飛ばす
ホームへリンク
最新号へリンク
既刊号へリンク
論文検索へリンク
投稿規定へリンク
編集委員会からへリンク
公式英文誌へリンク
購読のご案内へリンク
閲覧上のご注意へリンク
書誌情報 Japanese Englishページへリンク
第26巻 第3号 1993年3月 [目次] [全文 ( PDF 497KB)]
症例報告

粘液産生性膵嚢胞腫瘍の拡張主膵管に上皮内癌が発生した1例

高橋 優, 臼井 律郎, 渡辺 新吉, 宮川 英喜, 本田 毅彦, 阿部 眞秀, 古川 徹1)

東北厚生年金病院外科, 同 内科, 東北大学抗酸菌病研究所病理1)

 粘液産生性膵嚢胞腫瘍の拡張した主膵管に上皮内癌を認め,免疫組織学的に診断できた症例を経験したので報告する.症例は76歳の男性で,5年前より膵尾部嚢胞と主膵管の拡張を指摘されていたが,最近,血清CEA(7.7 ng/ml),CA19-9(90 U/ml)の異常値,膵嚢胞の腫大,さらに内視鏡的逆行性膵管造影検査で粘液の排出,主膵管のびまん性拡張と透亮像を認めたため,悪性化を疑い膵体尾部切除術を施行した.嚢胞は膵体尾部の全域に多発し,割面で主膵管と交通していた.切除標本を1.5 mm間隔で全割し組織学的に検討すると,嚢胞壁と主膵管はmild dysplasiaを示していたが,主膵管上皮の一部に核腫大,クロマチン増量,核小体明瞭,細胞極性の消失した細胞群を認め,上皮内癌と診断した.免疫組織学的検索では,CEAは上皮内癌の細胞腺腔側と細胞質内部に強く染色されたが,嚢胞部分ではほとんど染色されなかった.一方,CA19-9は上皮内癌と嚢胞の細胞腺腔側に染色された.

索引用語
pancreatic mucin-producing cystic tumor, carcinoma in situ, immunohistological CEA staining

日消外会誌 26: 937-941, 1993

別刷請求先
高橋 優 〒973 いわき市内郷御厩町久世原16 いわき市立総合磐城共立病院外科

受理年月日
1992年11月11日

ダウンロードサイトへリンク PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です
このページのトップへ戻る
メインナビゲーションへ戻る
Copyright © 日本消化器外科学会