原著
ICGRmax測定上の問題点とその臨床的意義
加藤 年啓, 山中 若樹, 岡本 英三
兵庫医科大学第1外科
慢性肝疾患405例を対象とし,Rmax測定上の問題点と対策およびRmaxの意義について検討した.Rmax算出上の基本条件である不等式(K1>K2>K3)不成立の頻度は前期(1976~1983.3,K0.5,K1.0,K3.0)では46%(92/201)であったが,Rmax測定法を改良した後期(1983.3~1987.12,K0.5,K2.0,K4.0)では14%(28/204)に減じた.不等式を満足する評価可能例のRmaxは例外なく5 mg/kg/min未満であった.不等式不成立例にはKICGが0.05 min-1未満,あるいは0.15 min-1以上を示す肝予備能の高度障害例あるいは良好例が多かった.Rmaxが最も強い相関を示したのは肝線維率であり,0.47 mg/kg/min以下の症例は例外なくB型肝硬変例であった.KICGに比べRmaxが相対的に低値を示す解離例は肝硬変の進行例が多く,また食道静脈瘤合併率が高かった.
索引用語
ICG maximal removal rate, ICG clearance rate, functional reserve of the liver, liver fibrotic index
別刷請求先
加藤 年啓 〒663 西宮市武庫川町1-1 兵庫医科大学第1外科
受理年月日
1992年11月11日
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