特集
高度侵襲消化器手術後の経腸栄養管理
五関 謹秀, 原 譲, 青井 東呉, 長浜 雄志, 土橋 康之, 玄 東吉, 川村 徹, 中村 宏, 滝口 透, 遠藤 光夫
東京医科歯科大学第1外科
区域切除以上の肝切除13例,食道静脈瘤直達術9例,膵頭十二指腸切除12例,右開胸開腹食道亜全摘24例を対象に,術後第3病日から20 kca1/20 m1/hr(480 kca1/day)のconstant & continuous infusionで経腸栄養(EN)を開始し,その後1日20 kcal/20 ml/hrずつdose upを計り,5病日からは80 kcal/80 ml/hr(1,920 kcal/day)を投与するプロトコールに従い栄養管理を行った.膵頭十二指腸切除例には高カロリー輸液を併用したが他の疾患は末梢輸液のみ併用して,各種栄養指標の推移を検討した.さらに食道癌の6例には分枝鎖アミノ酸32.6%を含む高BCAA-EN剤を調整してその効果についても検討した.結果:(1)いずれの疾患も窒素出納は1週間以内に正転し,3-methylhistidine尿中排泄量と負の相関を示した.(2)rapid turnover proteinのretinol binding protein,prealbumin,transferinのいずれも速やかに改善したが,肝硬変例での回復は遅れた.(3)高BCAA-EN剤の有用性が示唆された.
索引用語
enteral nutrition, postoperative nutritional support, branched chain amino acids enriched enteral nutrient
日消外会誌 26: 1169-1174, 1993
別刷請求先
五関 謹秀 〒113 文京区湯島1-5-45 東京医科歯科大学医学部第1外科
受理年月日
1992年12月9日
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