症例報告
十二指腸リンパ管腫の1例
西尾 秀樹, 長谷川 洋, 松本 隆利, 金井 道夫, 小木曽 清二, 深田 伸二, 吉田 英人, 清水 泰博, 平松 和洋, 亀井 智貴, 村田 透, 秋田 昌利
名古屋第二赤十字病院外科
十二指腸リンパ管腫はまれな疾患で本邦では1965年から16例の報告があるのみである.今回われわれは特徴的な肉眼所見を呈した十二指腸リンパ管腫の1例を経験したので報告する.症例は45歳の女性で,胃集団検診で異常を指摘され精査目的で当院を受診した.低緊張性十二指腸造影検査,胃内視鏡検査にて十二指腸第2部に中心陥凹を伴う隆起性病変を認め,肉眼的には表面が透明,平滑で光沢があり,その下に黄色,小結節集簇様の腫瘍本体を透見できた.同部の生検ではリンパ管腫が疑われた.十二指腸部分切除術にて腫瘍を摘出し,病理組織学的に海綿状リンパ管腫と診断された.自験例を含めた本邦報告17例を検討し,若干の文献的考察を加えて報告した.
索引用語
lymphangioma of the duodenum
日消外会誌 26: 2050-2054, 1993
別刷請求先
西尾 秀樹 〒466 名古屋市昭和区妙見町2-9 名古屋第二赤十字病院外科
受理年月日
1993年2月10日
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