Stage IV胃癌に対するリンパ節郭清の効果

山村　義孝, 紀藤　毅, 坂本　純一, 平井　孝, 安井　健三, 森本　剛史, 加藤　知行, 安江　満悟, 宮石　成一, 中里　博昭

愛知県がんセンター消化器外科

　断端癌遺残を除くStage IV切除胃癌488例を対象にリンパ節郭清の効果を因子別に検討した．術後3年生存率はN₃治癒切除57例63.2％，相対非治癒切除（非治切）85例28.2％，絶対非治切18例5.6％，N₄は相対非治切6例33.3％，絶対非治切21例9.5％，P₁は単独（N≦R）54例27.8％，N＞R相対非治切合併24例12.5％，N＞R絶対非治切合併17例0％，P₂は単独22例9.1％，N＞R相対非治切合併17例5.9％，N＞R絶対非治切合併10例0％，P₃ 28例は全例3年以内に死亡，H₁は単独17例17.6％，N＞R相対非治切9例11.1％，N＞R絶対非治切8例12.5％であり，H_2-3 16例は全例2年以内に死亡した．S₃は非治切のリンパ節郭清例が少なく判定不能であり，多因子19例には郭清による生存率の差はなかった．以上より，N₃，P₁，P₂単因子例にはリンパ節郭清の効果があり，N₄と肝転移例の一部にも郭清の有効性が示唆された．

索引用語
lymph node dissection of gastric cancer, survival rate of advanced gastric cancer, noncurative resection of gastric cancer, Stage IV of gastric cancer

別刷請求先
山村　義孝　〒464　名古屋市千種区鹿子殿1-1　愛知県がんセンター消化器外科

受理年月日
1993年4月14日

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