症例報告
食道granular cell tumorの1治験例
和田 哲成, 森田 晋介, 芦田 卓也, 河 良明
三田市民病院外科
食道granular cell tumorを内視鏡的ポリペクトミーにて切除した1例を経験した.症例は78歳の女性で,主訴は特記すべきことはなかった.他院で胃内視鏡検査施行時に食道胃接合部直下に山田3型のpolypを指摘され当院にて生検したところ食道granular cell tumorと診断されたので内視鏡的ポリペクトミーを施行した.
腫瘍は下部食道に発生したSweet corn型をしたgranular cell tumorで組織学的に悪性所見は認めなかった.2か月後の胃内視鏡検査では切除部位に異常は認めなかった.
食道granular cell tumorは,われわれが検索したところ詳細な記載のある本邦報告例は80例と少なく,治療法は経過観察,手術的切除,内視鏡的ポリペクトミーと分かれている.腫瘍の大きさやその浸潤度を考慮しなければならないが,われわれは内視鏡的ポリペクトミーが治療法の第1選択と考えられる.
索引用語
esophageal granular cell tumor, endoscopic polypectomy
日消外会誌 26: 2171-2174, 1993
別刷請求先
和田 哲成 〒650 神戸市中央区楠町7-5-1 神戸大学医学部第1外科
受理年月日
1993年4月14日
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