卒後教育セミナー
開腹による胆嚢摘出術および胆管切石術
松代 隆
東北労災病院外科
開腹による胆嚢摘出術(胆摘術),胆管切開術の基本操作とこれら術式に関連した問題点について解説した.胆摘術は底部から摘出する方法が基本的であり,第1に選択すべきである.急性胆嚢炎経過後などの胆嚢摘出に際しては定型的な術式にこだわることなく,まず胆嚢を切開し周囲との解剖学的関係を確認しながら手術をすすめた方が安全である.胆摘術に際しての予防的ドレナージはとくに偶発症がない時は翌日抜去してよいことを強調した,胆管切開術は胆管結石症の他に胆嚢結石症でも胆道感染を示唆する黄疸の既往と胆管拡張を認める場合が適応となる.胆嚢内に多数の小結石を認める,胆嚢管拡張,萎縮胆嚢で胆嚢内に結石を認めない場合は,胆嚢結石の胆管への逸脱を示唆する所見であるので入念な術中精査が必要である.胆管切開後のT字管などによる胆管ドレナージは胆道感染合併例,胆管拡張例,胆管内に多量の胆砂や胆泥を認める場合は必ず行うべきである.
索引用語
atypical cholecystectomy, intraoperative bile duct injury, indication of choledochotomy
日消外会誌 26: 2250-2254, 1993
別刷請求先
松代 隆 〒981 仙台市青葉区台原4-3-21 東北労災病院外科
受理年月日
1993年5月11日
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