胆道内瘻術におけるmetallic stentの意義

岡本　友好, 柳沢　暁, 稲垣　芳則, 椎野　豊, 高橋　恒夫, 青木　照明, 岩淵　秀一^＊, 池内　準次^＊

東京慈恵会医科大学第2外科, 町田市民病院外科^＊

　Metallic stentを使用した非観血的胆道内瘻術を14例の閉塞性黄疸症例（膵癌5例，胆管癌5例，胆管細胞癌1例，良性狭窄2例，その他1例）に対して行い，その成績および従来の内瘻，外瘻術と比較検討した．Metallic stent留置術の平均年齢は71歳，男女比は10：4であった．留置後の観察期間は1週から65週であった．留置後，外瘻チューブ抜去率は79％であった．再開塞率は29％であった．無黄疸経過率は生存例で75％，死亡例で67％，全体では71％であった．合併症は2例に認められたが重篤なものはなかった．本法を施行した悪性例12例と外瘻チューブのみ留置29例，開腹内瘻術施行12例を比較すると平均生存期間，無黄疸経過率はそれぞれ27週，13週，31週，71％，100％，92％であった．以上，本法は再閉塞などの問題はあるが手術に比べ非侵襲的で外瘻チューブ留置に比べquality of lifeが向上し，胆道内瘻術として有用であると考えられた．

索引用語
metallic stent on biliary tract, obstructive jaundice, biliary endoprosthesis

別刷請求先
岡本　友好　〒105　港区西新橋3-25-8　東京慈恵会医科大学第2外科

受理年月日
1993年6月14日

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