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第26巻 第10号 1993年10月 [目次] [全文 ( PDF 415KB)]
症例報告

膵分節切除術および尾側膵空腸吻合術を施行したインスリノーマの1例

天野 穂高, 蜂巣 忠, 一瀬 雅典, 鈴木 孝雄, 大森 耕一郎, 柏原 英彦, 横山 健郎

国立佐倉病院外科(現・千葉大学第2外科)

 症例は73歳の女性で低血糖発作を主訴に来院した.臨床所見および内分泌学的検査でインスリノーマが疑われた.血管造影,dynamic computed tomographyで腫瘤は約1.0 cmの濃染像として描出され,その局在部位は胃十二指腸動脈と上腸間膜静脈の間であった.術中超音波検査ではhypoechogenicな腫瘤像として描出され,主膵管と接するように存在していた.以上の所見より手術は膵管損傷の危険性,残膵機能の温存を考慮し,膵分節切除術および尾側膵空腸Roux-Y吻合術(Letton&Wilson 法)を施行した.術後経過は良好であり,腫瘍の局在によっては考慮すべき1術式と考えられた.

索引用語
insulinoma, segmental pancreatectomy with Roux-Y pancreatojejunostomy

日消外会誌 26: 2469-2472, 1993

別刷請求先
天野 穂高 〒260 千葉市中央区亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科

受理年月日
1993年5月11日

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