大動脈周囲リンパ節転移をきたした胃m癌の1例

岩崎　一臣, 篠崎　卓雄, 山口　聡, 浦川　聡史, 岡田　和也, 津田　暢夫^＊, 林　徳真吉^＊

長崎県立島原温泉病院外科, 長崎大学医学部附属病院検査部病理^＊

　大動脈周囲リンパ節に転移をきたした胃m癌の症例を報告する．症例は40歳の男性で，主訴は上腹部痛および嘔気である．上部消化管造影検査と冒内視鏡検査で胃前庭部の表層拡大型IIc胃癌と診断した．幽門側胃切除および第1群から第4群のリンパ節郭清を施行した．病理組織学的には5.4×4.5 cm大の深達度mの低分化腺癌と診断されたが，粘膜下層，筋層，漿膜下層に著明なリンパ管侵襲が認められた．リンパ節転移は大動脈周囲リンパ節まで及んでいた．
　術後1年4か月経過した現在，再発なく生存中である．

索引用語
gastric cancer limited to the mucosa, metastasis to paraaortic lymph node

別刷請求先
岩崎　一臣　〒854-05　長崎県南高来郡小浜町93　国立小浜病院外科

受理年月日
1993年9月8日

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