原著
画像診断所見に基づく腹腔鏡下胆嚢摘出術適応に関する検討
脇坂 好孝1)2), 佐野 秀一1), 中西 昌美1), 小池 能宣1)2), 尾崎 進1), 岩永 力三1), 内野 純一2)
市立札幌病院外科1), 北海道大学医学部第1外科教室2)
1991年3月末より腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下,LCと略記)を実施した症例の中で腹部超音波検査,endoscopic retrograde cholangiopancreatography(以下,ERCPと略記),腹部CT検査の3種すべてを術前に行いえた82例について手術適応波定における画像診断の有用性について検討した.特にLC中に開腹に移行した例や逆にLC可能だったと後になって思われた開腹胆嚢摘出術(以下,OCと略記)例を中心に分析した.1)以前LC困難と考えられていた重篤な急性胆嚢炎の既往を有する例は画像上胆嚢壁肥厚や胆嚢造影陰性の所見がなければLC可能である,2)超音波検査とCT検査とは胆嚢壁や内部胆汁の性状,周囲との位置関係の把握に有用で特にERCPにおける胆嚢管描出や途絶様式は適応決定上最も有用な所見であった.これらはLCの適応条件が経験の蓄積と技術の向上のために変化し流動的となっている現在において重要な結論と考えられた.
索引用語
laparoscopic cholecystectomy, operative indication, ERCP, abdominal echogram, acute cholecystitis
別刷請求先
脇坂 好孝 〒060 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学医学部第1外科
受理年月日
1993年11月1日
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