症例報告
術前診断された管外発育性小腸癌の1例
鈴木 雅之, 来見 良誠, 花沢 一芳, 岸田 明博, 柴田 純祐, 小玉 正智
滋賀医科大学第1外科
術前に診断しえた管外発育性小腸癌というまれな1例を経験したので報告する.
症例は61歳の女性.下血を主訴に来院.臨床諸検査および組織学的検査にて管外発育性小腸癌と診断した.小腸癌はBauhin弁より約10 cm口側に存在し,Borrmann 2型で,組織学的には中分化型腺癌であった.治療は回腸末端50 cmにおよぶ右半結腸切除,R3リンパ節郭清を行い,術後化学療法を追加した.
回腸癌は全消化管癌の中では非常にまれであり,術前に確定診断された例も少ない.治癒向上のためには積極的な検索が望まれる.
索引用語
primary small intestinal cancer, ileal cancer with extramural growth propensity
別刷請求先
鈴木 雅之 〒520-21 大津市瀬田月輪町 滋賀医科大学第1外科
受理年月日
1993年11月1日
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