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第27巻 第3号 1994年3月 [目次] [全文 ( PDF 513KB)]
症例報告

肛門外腫瘤脱出を呈した直腸villous adenomaの1例

金田 真, 広田 有, 岩佐 真, 玉置 久雄

三重県立志摩病院外科

 症例は75歳の男性で,主訴は腫瘤の肛門外脱出.約3年前に腫瘤の肛門外脱出を認め近医にて直腸ポリープを指摘されるも放置していた.その後症状の増悪と肛門出血を認め当科入院.
 直腸指診にて肛門縁より5~6 cm,7時方向に柔らかい腫瘤を触知し,注腸透視では下部から上部直腸にかけて径約7 cmで,カリフラワー様の腫瘤陰影がみられ,大腸内視鏡検査では表面が分葉し,顆粒状で粘液に覆われた腫瘍を認めた.
 腹部CTでは直腸内腔を脳回状で内部均一な腫瘍が占居しており,endoscopic ultrasonographyでは固有筋層以深への浸潤が疑われたが,脱出した腫瘍には,潰瘍や硬結などの浸潤癌を疑わせる所見は認めなかった.重積法にて腫瘍を切除した.腫瘍は8.5×8.0cm大の広基性病変で,組織学的にはvillous adenomaであり悪性所見はみられなかった.

索引用語
villous adenoma of rectum, prolapse of tumor, pullthrough operation

日消外会誌 27: 824-828, 1994

別刷請求先
金田 真 〒517-05 志摩郡阿児町鵜方1257 三重県立志摩病院外科

受理年月日
1993年11月1日

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