原著
胃下部早期癌手術におけるNo. 1,No. 4sbリンパ節郭清省略の適応
鈴木 英登士, 飯沼 俊信, 清藤 大, 三上 泰徳, 三上 光博, 杉山 譲, 遠藤 正章, 佐々木 睦男, 今 充
弘前大学第2外科
過去21年間における下部胃癌切除323例ならびに同期間の早期癌354例を対象とし,下部早期癌に対する縮小手術として,No. 1ならびにNo. 4sbリンパ節郭清省略の可能性について検索した.(1)下部胃癌切除323例中,No. 1,No. 4sb転移は早期151例,pm 48例では認められず,ss・seではそれぞれ15.3%,3.2%の転移率であった. (2)同期間の早期癌354例ならびに下部早期胃癌リンパ節転移陽性14例などの検討から,No. 1リンパ節郭清省略の適応として,1)前壁・小彎病変では3 cm以下の隆起型ならびに陥凹型(分化型)m癌,2)後壁病変では,上記に加え2 cm以下の混合型,陥凹型(低分化型)m癌,3)大彎病変ではさらに若干の適応の拡大も可能と判断され,2.0 cm以下のsm癌までが考慮された.(3)上記適応症例では,No. 4sbリンパ節郭清省略も可能と判断された.
索引用語
early gastric cancer, lower part of the stomach, regional lymph node dissection, contracted operation
別刷請求先
鈴木英登士 〒036 弘前市在府町5 弘前大学医学部第2外科
受理年月日
1993年12月8日
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