原著
総胆管切開と乳頭ブジー操作後の経時的な胆管内圧と胆汁ドレナージ量の変化
吉田 順一1)2), 岸川 英樹1), 千々岩 一男2), 赤澤 宏平3), 田中 雅夫2)
北九州市立若松病院外科1), 九州大学医学部第1外科2), 同 医療情報部3)
総胆管切開と十二指腸乳頭ブジー操作後の胆管内圧の変化をみるため,総胆管切開兼ブジー操作群(n=9)と胆嚢摘出兼経胆裏管ドレナージ群(n=9)の間で術後7日間の胆管内圧と胆汁ドレナージ量を比較した.まず背景因子の14項目を比較したところ,総胆管径のみに有意差があった.この因子と群別,日数,群別と日数の変互作用を独立変数に,内圧と胆汁量を従属変数にして回帰分析を行った.また各群で日数に対する従属因子を2次式で回帰した.
内圧は経時的にブジー群で若干有意に上昇した.ブジー群では次の回帰式が得られた.内圧=-0.047(日数-7.5)2+10.4(cmBile)また胆汁量はブジー群で有意に上昇した.
以上より,総胆管切開とブジー操作の後は,胆嚢摘出のみの後より内圧が上昇し,第7.5日にピークとなった.この所見は総胆管切開後の胆道減圧に示唆を与えた.
索引用語
bile duct pressure, choledochotomy, duodenal papilla, biliary drainage
日消外会誌 27: 1028-1032, 1994
別刷請求先
吉田 順一 〒812 福岡市東区馬出3-1-1 九州大学第1外科
受理年月日
1994年1月12日
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