症例報告
完全型原発性虫垂重積症の1例
菅野 公司1)3), 猪口 貞樹2)3), 幕内 博康1), 田島 知郎1), 三富 利夫1)
東海大学外科21), 同 救急医学2), 医療法人財団, 寿康会病院外科3)
完全型原発性虫垂重積症(primary appendiceal intussusception,complete type)のまれな1例を経験したので報告する.症例は22歳の男性.繰り返す右下腹部痛,嘔気,嘔吐を主訴として来院.注腸造影X線検査および大腸内視鏡検査にて回盲部の過形成性ポリープと診断し,内視鏡的ポリペクトミーを試みたが切除不能のため開腹術を施行した.開腹所見で虫垂重積症と診断し回盲部切除を行った.切除標本では重積の先進部に病変を認めず,虫垂のみが完全に盲腸内に内翻,重積していた.術前の検査所見について検討したところ,腹部超音波所見が診断確定に有用と考えられた.
索引用語
primary appendiceal intussusception, intussusception of the appendix, invagination of the appendix
日消外会誌 27: 1117-1121, 1994
別刷請求先
菅野 公司 〒259-11 伊勢原市望星台 東海大学医学部救急医学科
受理年月日
1994年1月12日
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